どうして家賃は上がるのか ~ある案件のコンサルティング失敗事例~
商業ビル斡旋の依頼
去年の話なのですが、知り合いの紹介である商業ビルを貸したいというお話をいただきました。
東京の中心地(港区とか中央区とかそこら辺です。詳しく書けませんが)で1棟貸しにしていた建物が退去するという事で1棟全フロアの募集。
紹介者の絡みで不動産鑑定士さんのBさんと組むことになりました。
Bさんは元財閥系不動産会社上がりで私の倍以上のキャリアを持つベテラン。
非常に知識と説得力のある方で私自身も非常にその方から得る物が多くありがたいお話でした。
ここは幾らで貸せるのか
まず、所有されるオーナーと打ち合わせ、一通りの資料をいただきどれくらいの賃料で貸せるのか試算して欲しいと。
そこら辺の試算はBさんの得意分野ですので私は資料を集める事だけさせていただきそれらをまとめレポートにするのはBさんにお任せしました。
オーナーに会う前日、プレゼンのレポートを見せていただいたのですが、分析データ、数字に対する根拠まで非常に細かく、30枚ほどでしたがあらゆるデータが掲載され、これは売れるんじゃないか・・・位のレポートが仕上がりました。
しかし、1点あるところが引っかかりました。
まあ、それはベテランのBさん。上手くまとめてくれるのではないかと・・・
いざ、プレゼン!ところが
さて、オーナーと面談。軽い雑談の後、プレゼンに。
オーナーはそのレポートを一通り眺め、表情が変わりました。
間もなく、Bさんがプレゼンを開始しました。
素晴らしい内容のプレゼンだったと思います。
ところが、最中オーナーの心ここにあらず・・・
後日、他社に決まったとの連絡がありました。
どういう事かというと、家賃が安すぎました。
正確には、正直に書きすぎた。
敗因分析
オーナーにとってマンション、アパートなどの資産はかけがいの無い財産、我が子も同然。自分の子供を良く言われて気分を害す親は居ないはず。
無理して決まらない条件で募集してもオーナーの利益を損ねます。
ではどうすれば良かったか、多少の苦戦は覚悟でも相場より気持ち高い程度の所から始めるべきだったと・・・
新築やその建物の過去事例が無い場合の家賃の見積もりは、ホトンドが周辺の比較事例を取りそこから分析します。
近隣の近い建物の家賃を集めそれにらと比較しプラスマイナス修正していきます。
そして最後に付け加えるのが思いやりのプラスアルファ・・・
もちろん全く決まらない物件などにこれをやるのは御法度ですが、人気エリアとくに競合他社の多い場所はそのプラスアルファが大きく響きます。
そして家賃は段々高くなります・・・
以前こんな話も書きました。
新築マンションを建てる時、お知らせ看板という標識が建物を建てる場所に掲示されます。ここには建てる建物の概要や家主さんの住所氏名、設計、施工者が表示されます。これを見て僕ら不動産業者が営業をかけます。場所にもよりますが、一つの案件に対して平均すると20社ほどが競合します。この時点で募集する会社が決まっていなければ、じゃあお宅ならいくらで決められるの?という話になります。
家賃査定の話
最後にその物件は、大手仲介会社が我々の査定の1.5倍の査定で専任媒介を得たのですが、先日レインズでたまたまその物件を見たのですが、まだ半分以上空いておりました。
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